終
あぁ・・・ついに終わってしまったか。
何がって?
それは三年間(厳密には二年半)ほぼ毎日あった。
もはやまるで家のように私物が一杯置いてあったりする。
高校での私の青春そのものであった。
そう、コーラス部。
おととい、埼玉の大宮で行われた『全日本合唱コンクール全国大会』。これがOKAZAKI(検索避け)高校コーラス部現役生としての最後の大会であった。
ちょっと気取って書いてみようと思う。
当日は自分の中にはなんとも言えない感情が入り乱れていた。
ふっとした拍子に胸が高鳴り、ふっとした拍子に寂寞の感がまとわりつく。
あれこそが、終わりの予感であったのだろう。
三年間の思い出について語るにはまた別の機会を持とう。それはどれだけの時間があっても語りつくせない思い出であり、今年のことですら書きつくすのには途方もない時間が必要だ。
時を進めて、本番。
舞台脇に控えているとき、どーも落ち着かずそわそわ歩き回っていた。思い返していたのは一年生のとき、
あのころの自分。当時の自分の歌の実力は置いておいて、あの東京での全国大会のまさに本番の最中、に考えていたこと。
それは・・・音楽と言うものの楽しさ。
新入生歓迎会で歌に惚れて入ったコーラス部。音楽への心を確かにつかんだのは、残念ながらそれほど遅いときであった。それまでは自分本位に、自分個人の声のことだけしか考えていなかった自分が初めて『本当に』合唱をしていると感じた瞬間のことであった。
あれから時を経て今・・・・・・・・・思い出していたのはそんなこと。
終わったときの感情はぼくの貧弱な語彙では言い表せない。グッときた。
MDを買い(買わせ)いの一番に聞いてみた・・・すると・・・
はじめに思ったのは「あれ?買うとこ間違えたか?」
それほど上手かった。信じられないほど上手かった。
自由曲のフライト。そこのダイナミクスに心を撃たれた。
聴いてて少し、涙が出たのはまた別の話。
兎にも角にもよく考えたら失礼な話だが、『参加』したことに感動を覚えたことはあっても、三年間、差し出がましくも『主体』の一人と自分がなって歌った歌で感動したことなど皆無であった。というよりも他のどの合唱
団の曲も『うまい』とは思うものの感動にはいたらないことがほとんどであった。
一人騒ぎ立てる自分。周りの人はたいそううざかったろうに。
結果は・・・ゴールド、金賞
あのときの感情はまさしく歓喜。記憶にあまりない・・・
S♂と抱き合ったのだけはかろうじて覚えている。体が勝手に動いていた。
隣が女の子だったら・・・(*ノωノ)なんちゃって
あまりにもあまりにも嬉しすぎて、反省会で言った言葉が非常に陳腐なものになってしまった。
なぜなら・・・考えていなかったから。
ここで終わりなんて。そんな。
しかし現実は動かない。そして僕はウルっとは来るが涙は流さない。
発声を良く見てもらっていたR先輩の言『泣きたい時に泣ける人が羨ましい。泣きたい時に泣けない自分のような人間もいるんだ』
というわけです。さめざめと一人泣いていたのは翌日の4時。みんなが消えてからの話。内緒の話。
あー、ながすぎて趣旨だらだら。続きはまた今度な。